イラスト

要件を書いた手紙の様な

残念ながら書式が違うのですって 要件を満たさないのですって だからこれは 何の役にも立たないのですって 手紙ですらないのですって

雨降り

傷に障る

太陽

私は目を閉じます 光は 光というだけで 地面に色濃い影を 傍若無人に叩き付けてくるので在る事は知りましたから 嫌というほど知りましたから 目は開いていますが 私は見ていません 決して

金輪際

架空のもどかしさを 血が洗い流すのを待つ 動脈に静脈で あの感情がちりぢりになるのを待つ 架空である前提であるのだからして あれは 居てはいけない 無いもので氾濫することを 0の1であると虚偽することを 許しては ならない

祈りの所作

呼吸するために咆哮する 彷徨する 何とも滑稽なことである

喫茶店を素通り

風が強く吹いていたので 耳が千切れそうに痛かったので

宝石類

元の場所に戻すふりで ゆっくり 無かったことにする為の手順を踏んで 消えてゆく 溶けてゆく 心につながらない声音は 心と無縁の笑顔は 誰の為なんですかってそんなこと よくわからないままに 逃げる 逃げる

where

The where and the why of it.

(procedure)

天国と地獄は同義である そしてそれは存在しない

not

どこへも行かない手足と どこへも行けない手足と が 動くのを待っている 待っているはずだった 待っている気がしない

ニトロジェン

ただしさ

粛々と叫ぶ様に黙る日よ

獰猛な羊の安寧

愚者の樹

呼吸だけ聞いている 話は途切れている 根を張った形のないこれを 今すぐに引き抜かなきゃ 形もないのに

星に願いを

沈めて 戻れないぐらい どうか 走って 星に願いを - Cocco - 歌詞 : 歌ネット

寒い

切っ先が重力で融けて落ちる 不整脈はまだ続いている

空蝉の

すべての階段を踏み外すような それでもどこも怪我一つなく済むような 安定と不安定の程よいミックスにて ふわっとずるっと組み上がる仕組みの人生です

外に虹が出ている

誰も気付きませんでした 私も見ていませんが 剥き出しの心臓のような有様で サイレンの音が何度も行き交った事だけは 確かな事だったと たぶん

胎児の祈り

(昏睡の中で)

目覚ましい眩暈

寒くても意識はあって あ、まだここに居るんだ、って 一応思い出すんです

花が咲くという動作において そこに起きている力の源を思う もとはただ一個の小さな種子であったものが 広がり 茎の緑に 花の鮮やかな色になる 静かに 脈拍もなく脈々と続くさまを 眩しく見ている

落下中に見た夢の話

着地しまして 接地しまして もう 忘れてしまいましたが とてもいい もしくは 悪くはない 夢でした 忘れてしまいましたが

非常に遺憾ながら

今日はりんご ないんですよ なので仕方なく マッシュルームを食べます

普通の不通

区切られて区切られて 区切りをつけて どこにもいかないように どこにもにげないように 足を地につけているふりをするように 途絶えた言葉をやわらかにつなぐふりをするように (もうだいじょうぶはなすことはなにもありません)

不通

できたらでいいのですが、すみませんが、そこにたたないでいただけますか……そこにたつと、わたしのめのまえにかげがおちて……そうですかげが、できて、ええ、めのまえにいるわけではなくても……そう、めざわりなんですよ……めざわりなんです……そこいがいならい…

りんご

ポンチ絵、ということばがふと浮かんだ、が ポンチ‐え〔‐ヱ〕【ポンチ絵】 風刺や寓意を込めた、こっけいな絵。漫画。 概略図。構想図。製図の下書きとして作成するものや、イラストや図を使って概要をまとめた企画書などのこと。 [補説]1は、英国の風刺漫画…

あらしのよる

風が強く吹くと、ごそごそごそぞぞぞぞぞぞという音、が混入してくる。その破片で、聴いている音楽が途切れ途切れになっていくのを、見ている。

うで

星の生まれる時

暗澹とした窓辺