都条例に関して、あくまで個人的な意見として(やや長文)

最近の都条例についての報道・意見を目にするにつけ、「自由」は空気を吸う事と同じ様に「当然得られる権利」ではないということに改めて気付かされて、背筋が伸びる、もしくは凍る思いです。
ただ、自由と無秩序は違う。それでも、心という形の無いものを秩序立てる唯一の方法は教育であって、法律ではない、と考えます。
法律というのは心を律することはできません。六法全書にも「人を殺すな」とは書いていないと思います。恐らく「人を殺したらこのような刑罰を与えます」とは書いてある筈ですが。
目的が「青少年の健全な育成」であることに何ら反対はありません。ただ、何をもって健全とするか――「刑罰を恐れるから人を殺さない」人間の育成、ということでは、あまりにこの国の社会は情けないものになってしまうのではないでしょうか。
都知事もしくはそれに賛同する方々には、目的を同じくするならば尚更、暴言・失言とも取れてしまう様な言葉を使うことなく、自分に都合のいい「有害漫画」幻想から抜け出た場所で話をして頂きたい。見なければならない現実はもっと広い。
10年後、100年後、そのもっと先、テレビや新聞では楽しいニュースだけが流れ、残酷な事件は一切報道されない、そんな「平和な社会」が訪れませんように。今の私達が、国家の自殺の始まりに立ち会った人間になりませんように。

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本当は自著の表現についても言及すべきなのでしょうが、それは漫画家である限り今後の作中で表現せねばならん問題の様な気がするので割愛。結論から申し上げますと、今後も特に表現・主題を変更する気はございません。
【参考】
りんご (@applesringo) | Twitter*1
この先絶対に病気にならないためにも今すぐ死んだほうがいい、的な - シギサワカヤBlog*2

*1:編集さんから紹介され、かつ自分で読んで同意できるところが多かったためリンクさせて頂きます

*2:当ブログ内過去記事