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できたらでいいんだ

もう少しゆっくり歩いてくれるかい 少しばかり疲れているみたいだ 自分のことに「みたいだ」というのもおかしな話だね でも「みたいだ」というのがとてもこの感覚らしいので 君には正直に話そう (君は信じていないようだが) (耳を傾けるふりをしているよ…

帰らない

空を見る様に私を見るのですね 空は変化します 私も変化します とどまりません 何処かへ行きます おなじものでできていても もう 帰りません そう知っていてまたあなたは

END

無駄な宴はこれまでにしましょう 怠惰が理由ではなく お開きになるのはそれは 私達の努力が足りなかったからでしょう あなたがそう言うのなら そうなのでしょう

最初の夜

何の問題も無い のっぺりとした直線の夜を 等間隔で歩くように 気を付ける事も無く 気を遣う事も無く 転ぶ事を恐れない日があった それは揺るがない事実であり それは薄れゆく 確実に滅亡する一個人の記憶である

みらい

いつかきっと会えなくなるひとの名前を いつしかもう覚えていない名前を それぞれ同じ様に土に埋めて埋めて 発芽する種子もあれば 奥深くまで侵食する毒もある 等しい未来は水を撒く 未来は日々水になる お陰で辺り一帯大海原だ 深海魚になる目が潰れる

宵越しの

私に向けて吐き出された言葉は熱を帯びていて きっと熱いのでしょうね、と予想する 絶対の壁の向こう側 貴方の顔も知りません かわりにわたしはずっと壁を見ていますし 膝を擦り指を痛めて 苦労の末に壁を越えて貴方に会っても そんないかがわしい悲しみに溺…

胡乱な輩

信じません 信じません 言葉の裏に真意が吠えることもないので 窪んだ瞳に それらの言葉は火の様に映るので 遠吠えを聞いては あれは何かしらと あなたの顔を見ることもなく囀るのです けものの耳を持たぬ私は

対立する個

ようやく二人きりになれましたね 私と 私の 干乾びた言葉ばかり発しては まるで植物の細い茎の様に ゆらゆらと花を支えているふりをするほうと それを許さぬ種子が いがみ合うこともなく ただお互いを見放してしまう事で安定する そんな二人きりの暗がり

騙されるなよ

忠告はした だから これからも本当のことは話さない 騙されるなよ この想いだけが 貴方に対する忠実だ

それは私の与り知らぬことでして

あなたの内側の事件を 私が名付けることは出来かねるのです あなたの思うあなたの事件は あくまであなたの管轄下にあり 私が侵入する隙なんて無いのでしょうから 至って平和に あなたの事件を 私の視界から外させて頂きたく

毒性

染み渡る 化学の力は指先にまで到達する 間違いや手違いが その先へ浸透する 意識の残滓にラベルを貼る これで終わりです 無駄に満ちた全てを整頓し 間違いと手違いを 何食わぬ顔で 燃やして失くす

何もない

見ないで下さいと叫んで走って逃げたいんだ そこに一種の絶望的な快楽があるんだ 解放、そんな風にも呼ぶこともできる 刺し違える覚悟さえあれば

群をなす獣の眠り

微かな灯のような細い呼吸 目を閉じて炎を隠す 一面の暗がりだここは

冷める夢

起きない夢の熱は保温され続ける 腐敗するまで温められる

なんだ そんなことか

そんなことか そんなていどのことか といわれたら そんなていどのことなんです、ええ、 たいへんもうしわけありません よけいなじかんばかりとらせましたね はは そんなていどのことだったんです と答えざるを得なくて わたしがわらうと あなたもわらうから …

マサニエロ

城のすすきの波の上には 伊太利亜製の空間がある そこで烏の群が踊る 白雲母〔しろうんも〕のくもの幾きれ (濠と橄欖天蠶絨〔かんらんびらうど〕、杉) ぐみの木かそんなにひかってゆするもの 七つの銀のすすきの穂 (お城の下の桐畑でも、ゆれてゐるゆれてゐ…

混ざらない

融合からかけ離れた性質のわたしたちは

かわいそうにかわいそうに

ことばだけで頭を撫でるひと ことばだけで根っこは切れてる 茎だけを握り締めている 花も葉も無く 茎だって あるかすらわからない 何も無いところを 私も撫でるふりをする

一人

正解は常に変動するとも知っていて 正解は大概胡乱なものだとも知っていて だからあなたは わたしは 一人と一人を保ち過ぎる

嘘をつきたくない

という嘘に いつまで どこまで お付き合い頂けるんでしょうかねえ

sincerely yours

雪が降るかもしれないですよ と伝えるようなことはしない 雪が降るかもしれないですよ と 伝えたくなるような そんな感傷は 多分 ない ことに なっているべきで そうでしょう(そうなのでしょう?)

marginal

足の踏み場も無い

cell

小さくなって小さな声で聞こえない様に小さく小さくばかみたいに、

名前を付けないこと、

それだけを、取り敢えず、約束を、しましょうか

夢を見る夢を見る夢を見る

もうおなかがいっぱいです 破れます 壊れます

美しい針を見た

約束します きっと いつか全て忘れますね 少なくとも 忘れる努力はしますね

最早正気の沙汰では無いから

まるでずっと正しかったように まるで真実を 意を決して口にするように 嘘ばかり嘘ばかりうそ、ってなんですか 嘘は嫌いです 嘘の定義が解らないから

最後に残った

か細い 糸のような ぷつりと 音をたてて

消える日の水の流れを見てる

無くなりました の 証明は難しい

いつまでも絶える事無く

不連続面で会うと口約束をした 多分もう会わない

merry go round

あの安っぽい派手さにくるまれた 一種いかがわしい乗り物がとても苦手なんです 私の内側にある感情とてんで一致しないんです 神経を逆なでするのです 何がmerryだ と憤慨する気力も無く 誰か 私以外の誰かが この乗り物らしきものを 行き先の見えぬ回転を 私…

凍る血

あのとき

いったいどうするのが てきせつで ただしくて まちがいじゃなかったのでしょう

雑な夢

砕かれたプラスティックの手触りの ひどくチープな夢を見る 水に溶けない夢を見る

夢に見る

絶望が粉々になってそこらじゅうに落ちているので その破片をなるべく避ける 一生懸命に撫でた温かさの記憶、温かさが抜け落ちてゆく記憶、 気付けば目が覚めているけれど 眠るんじゃなかったと思う

昔ここには道があった筈ですが いまはもう ゆくえがしれません

合間に

否定も肯定もせず沈黙を以て 私ではない人の声が辿る私という形の そのどれでもないのですと 狼煙で意思を伝えるが如き 面倒な手順を今日も

隘路

手始めに 木を一本植えよう そしていつか根を張り枝を伸ばして 大地はそれを密かに隠すだろう 跡形もなく分解してしまうだろう

弱っている 横たわり 火の手を見て 火の粉に触れて 何も見えなくなるまで見送って 小さな音をたてて去っていって 音が聞こえない 解さない私の為に

ひねもす

灰色の感触 ぎちぎちと 腐敗する甘さ

付加情報

爪先や毛先のような遠い場所に 置き忘れてきました わざと 切り落とすことが可能な場所に

闇夜

頭痛

限界

だから、ということもなく そこにあったから そこが果てなのだと思いました

閉塞

息を 目を 口を

誤解

思い返してみればそんなことはなかった そんな大したことじゃなくて でもそこを埋めていたものを 削り取ったら傷跡になると思って だから こんなふうにいつまでも 全身に残している ような でもそれすらも 気のせいなのかもしれず

いつも見る

声に見る

思い出さない駅

乗り換えるのが難しい構内

Eat me,leave me.

曖昧な要求と曖昧な相槌は 静かにぴったりと寄り添って しかしそれはいつの日か 力づくで互いを引き剥がす力を 温存しているに過ぎない

常識のセカイ

「そんなものだれでも……でしょう」の だれでも、の部分に私の名前は入るときもあって でも入らないときもあって、 入ってても入らなくても窮屈で 息をするのもめんどくさくて 何かもう適当に にゃあとか鳴きたい 泣きたいんです